避妊手術・去勢手術について


避妊手術、去勢手術を行う目的は、大きく分類すると


望まれない妊娠による不幸な子犬・子猫を増やさないこと。
性ホルモンに関連した、将来的に起こる可能性のある疾病を防止すること。
性ホルモンにより誘発される発情徴候、スプレー行動、攻撃性、およびマウンティングなど、
性行動による問題行動防止。
の3つです。
は手術によらずとも、雌動物が発情し、交配によって妊娠する可能性のある特定の時期だけ、
雄動物から隔離することで、望まれない妊娠を避けることができます。
表?
正常 潜在精巣
について、雌犬・雌猫の場合、卵巣から分泌されるプロジェステロンというホルモンが
子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の発症に関与しています。
性成熟前に、卵巣・子宮摘出術を行うことにより、病気の発症率を低くすることが可能です。
雄犬の場合は精巣から分泌されるアンドロジェンというホルモンが、前立腺肥大症
(血尿、排便障害、後肢の破行などの症状を示します。)や肛門周囲腺腫の発症に関与します。
去勢手術を行うことにより発症予防が可能です。
 
また、雄犬の中には陰嚢内に精巣が1つしか降下して来ていないものがあり、これは潜在精巣と
いう疾患です。(表?
潜在精巣は、陰嚢内の精巣と比較して、精巣腫瘍を発症させる確率が10倍以上となっています。
精巣腫瘍の中にはエストロジェンというホルモンを高濃度に作り出すものがあり、不可逆性な
骨髄抑制が起こることによって、気づいた時には手遅れの状態になって死に至ることもあります。
潜在精巣に気づいたら、腫瘍化する前の早期去勢手術をする必要があるのです。
雄猫には、雄犬ほど目立ったホルモン関与の疾病はありませんが、以下に示す③の
性ホルモンに関連した問題行動の抑制には、去勢手術が効果的です。
について、雌犬の場合、発情出血により陰部が汚れます。
臭いをかぎつけて雄犬が多数近づいてくる場合もあります。
雄犬の場合、雌犬の臭いの刺激により、マーキングが頻繁になったり、飼い主や他の犬への
攻撃性を示すことがあります。
そわそわ落ち着かず、リードを引っ張り過ぎたり、離してくれとうるさく鳴いたりします。
問題行動は一度学習してしまうと、性ホルモンの分泌がなくなっても行動抑制が難しくなるため、
早期適期の去勢手術が望まれるのです。

雌猫・雄猫の場合は、大声で鳴いたり、マーキングのためにスプレー行動をしたり、外へ出たがり
逃走してしまうことがあります。外へ出てしまうと、望まない妊娠をすることになったり、
猫免疫不全ウィルス感染症(いわゆる猫エイズ)をはじめとする伝染病に感染したり
けんかをして怪我をしてきたり、交通事故にあったりする可能性が増えるでしょう。

避妊・去勢手術を行うことにより、発情していても思いのかなわないことからくるストレスを
除去することになり、犬も猫も精神的にも安定できると言えるでしょう。

あなたの家族が健康で長生きするよう避妊・去勢手術を適期に受けさせることをお勧めします。

手術の適期について
雌犬・雌猫では、生後半年ぐらいが・・・
雄犬・雄猫では、生後10ヶ月~1年ぐらいが・・・

適期とされています。    

これら手術についてより詳しく、お尋ねになりたいことがありましたら、
診察時間内にお電話にてお尋ねください。

手術をご希望の方は電話予約の上、朝食を与えず午前9:30までにご来院下さい。
Tel 0297-23-2235


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